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- 共生ホームひまわりの家とは
はじめに
「大きな家族」がつどう家
1999年8月、認知症の義母の介護に専念するため38年間勤めた職場を退職しました。
翌年2月に何もわからない介護の世界をどう生きていくかの解答を求めて「デンマーク、スエーデン福祉社会の見学ツアー」に参加して、私は今までの「介護、福祉」についての考え方を大きく変えることになりました。
デンマーク社会の高齢者福祉における脱施設化、在宅中心への転換、高齢者福祉の3原則(1.生活の継続性、2.高齢者の自己決定、3.残存能力の活用)によって、デンマークの高齢者が施設でなく「住まい」で生き生きと生活している姿を見て、認知症が進むと「施設」に預けなければならないと思っていた考えが変わりました。
介護が必要になっても住みなれたところでいつまでも暮らしたい、義母もそう思っているだろうと在宅介護を考えるきっかけになりました。
2000年7月に民家の貸家でひまわりの家を開設、終の棲家としてターミナルケアをできる「住まい」にとの思いを持ち続けてきました。
2008年12月に民家を買い取り、長年の夢「共生ホームひまわりの家」の展望が生まれ、2010年春にオープンとなりました。
デンマークの豊かな高齢者福祉を生み出している価値観、認知症のお年寄りをケアする3つの条件、1.認知症のお年寄りを根っから好きになること、2.認知症のお年寄りに尊敬の念を持って忍耐強く、3.ユーモアがあること。この価値観が9年間の認知症の義母との生活を支えてくれました。
ケアってなんだろう・・・そう認知症の人と共に生きること、寄りそいながら・・・。
ひまわりの家を開設してからこのことを考えつづけてきました。
そして、高齢者のための真に豊かな福祉は、高齢者も子どもも障害者も、だれもがいきいきと輝いて安心して暮らせるまちの中でこそ、実現できるのではと考えるに到りました。
「共生ホームひまわりの家」は、そんな夢をもつ沢山の方々の力をあつめて建設される運びとなりました。佃のまちのみなさんをはじめ、多くの方々に「大きな家族」として自由に集っていただき、様々なとりくみや思いを交流し、ふれあい、支えあう居場所となることをめざしています。
共に生きることの喜びをみんなで分かち合い、豊かな福祉・まちづくりの拠点となれるよう、「共生ホームひまわりの家」は歩んでまいります。
2009年11月
合同会社ひまわりの家 代表社員 遠地昭典
理念
- いつまでも安心してふつうの暮らしができるよう、人間としての尊厳を守り、市民的自由のある生活のできるホームをつくります。
- ホームの入居者は一つの家族として、協力して生活します。
- 入居者の家族との協同、地域との交流を大切に地域社会と一体となって生活します。
- こどもや障害者、高齢者がともにふつうの生活ができるホームをつくります。
運営と生活
共生ホームは入居者が「自立と共生」の精神で、その人らしく自立した生活ができるよう支援します。
共生ホームの運営には入居者とその家族が積極的に参加します。
入居者とその家族、スタッフ、ボランティアで運営委員会を定期的に開きます。
スタッフは入居者とその家族がその人らしく、尊厳を持って生活ができるよう支援します。
スタッフは絶えず学習を怠らず自己啓発に努めます。定期的にスタッフ会議を開いて集団で問題の解決をはかり、生活の質を高めます。
地域に開かれた共生ホームとして地域との交流を大切に、豊かな地域社会をつくります。
共生ホームはボランティアビューローとしてボランティア活動の拠点となるようにします。
町会の活動に積極的に参加し、子供会、老人会と交流を深めます。